2012年になりました。農家になり一年が過ぎ、大学院に通い8か月が過ぎました。実際に畑に出て、畑を耕し、作物を育て、収穫し、また、大学院で書物を読み、資料を広げ、研究室で深夜まで悩みながら、次の日の発表資料を作成する日々を過ごしました。サラリーマンの頃考えていた農業と、一年前の農業に対する考えと、今の農業の対する向き合いは大きく変わってきたと感じます。それは、実際に土と向き合うと同時に、本を読み、資料を調べ、そして多くの農業に関係する皆様と話をする機会があったからだと思います。
「農家」という職業は、利益を追求していくと、いつの間にか理想とは違う道を歩んでいます。それは、常に利益と理想とのジレンマの中を行き来することになります。年末に、お会いした農家は、「安全でおいしい、そして安い野菜をお届けする為の農業、決して金持ちだけが安全でおいしい食べ物を食べるのではいけないんだ。食べ物はすべの人間にとって生きる糧である」と。理想と現実の狭間に、まだまだ悩み続ける新米農家です。
 また、農業と環境を考えると同様です。里山などに代表されるように環境保全に役立つのも農業ですが、一方では、環境汚染、環境破壊を行うのも農業だと思います。農薬や、耕地整理等は自然に大きな負担を与えています。ここでも、理想と現実に悩まされます。
 最近出会った映像で、強い衝撃を受けたスピーチがあります。1992年リオデジャネイロで開催された地球環境サミットでのセヴァン・スズキという12歳の少女のスピーチです。言葉の力はすごいですね。人類の一人として、考えさせるスピーチです。

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